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双極性障害は、躁そう状態または軽躁状態とうつ状態とを反復する精神疾患です。“躁うつ病”と呼称される場合もありますが、うつ病とは別の病気です。
激しい躁状態を伴う場合を“双極I型障害”、生活に著しい支障がない程度の軽躁状態(軽度の躁状態)を伴う場合を“双極II型障害”といいます。躁状態あるいは軽躁状態のときは自身が病気であることに気付けない場合もあり、うつ状態だけが注目されがちであるため、双極性障害でありながらうつ病と診断されてしまう人も少なくありません。
躁状態による問題行動や、うつ状態による抑うつ気分・何をしても楽しいと思えない状態により社会生活に支障が生じることもあるほか、自殺率が高いことも知られています。主に20歳代で発症することが多く、有病率は1%程度で頻度に性差はないといわれています。調子のいいときと悪い時を繰り返す病気のため、現症のみによって認定するのではなく、「症状の経過及びそれによる日常生活活動等の状態を考慮する」とされています。
1 各等級 に相当すると認められるものを一部例示すると次のとおりである。
障害の程度 | 障 害 の 状 態 | ||
---|---|---|---|
1級 | 気分(感情)障害 に よるものにあっては、高度の気分、意欲・行動の障害及び高度の思考障害の病相期があり、かつ、これが持続したり、ひんぱんに繰り返したりするため、常時の 援助 が必要なもの | ||
2級 | 気分(感情)障害 に よるものにあっては、気分、意欲・行動の障害及び思考障害の病相期があり、かつ、これが持続したり又はひんぱんに繰り返したりするため、日常生活が著しい制限を受けるもの | ||
3級 | 気分(感情)障害 に よるものにあっては、気分、意欲・行動の障害及び思考障害の病相期があり、そ の病状は著しくないが、これが持続したり又は繰り返し、労働が制限を受けるもの |
2 統合失調症 、統合失調症 型障害及び妄想性障害並びに気分(感情)障害の認定に当たっては、次の点を考慮のうえ慎重に行う。
ア 統合失調症は、予後不良の場合もあり、国年令別表・厚年令別表第1に定める障害の状態に該当すると認められる ものが多い。しかし、罹 病後数年ないし十数年の経過中に症状の好転を見ることもあり、また、その反面急激に増悪し、その状態を持続することもある。したがって、統合失調症として認定を行うものに対しては、発病時からの療養及び症状の経過を十分考慮する。
イ 気分(感情)障害 は、本来、症状の著明な時期と症状の消失する時期を繰り返すもの である。したがって、現症のみによって認定することは不十分であり、症状の経過及びそれによる日常生活活動等の状態を十分考慮する。また、 統合失調症等とその他 認定の対象となる精神疾患が併存しているときは、併合(加重)認定の取扱いは行わず、諸症状を総合的に判断して認定する。
3 日常生活 能力 等の判定に当たっては 、身体的機能及び精神的機能 を考慮の上 、社会的な適応性の程度によって判断するよう努める。また、現に仕事に従事している者については、 労働に従事していることをもって、直ちに日常生活 能力 が向上したものと捉えず、その療養状況を考慮するとともに、仕事の種類、内容、就労状況、仕事場で受けている援助の内容、他の従業員との意思疎通 の状況等を十分確認したうえで日常生活能力を判断すること。
4 人格障害は、原則として認定の対象と ならない。
5 神経症にあっては、その症状が長期間持続し、一見重症なものであっても、原則として、認定の対象とならない。ただし、その臨床症状から判断して精神病の病態を示しているものについては、統合失調症又は 気分(感情)障害 に準じて取り扱う。
なお、認定に当たっては、精神病の病態がICD-10による病態区分 のどの区分に属す病態であるかを 考慮し判断すること。