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てんかんとは、脳が一時的に過剰に興奮することで、意識消失やけいれんなどの“てんかん発作”を繰り返し引き起こす病気のことです。
私たちの脳は数百億もの神経細胞によって成り立っており、神経細胞が電気的な興奮を引き起こすことでさまざまな情報が伝達されていきます。てんかんは、神経細胞の電気的な興奮が過剰に発生する部位が生じ、脳のはたらきに異常が引き起こされることによって発症します。
てんかんには症状の現れ方や原因によってさまざまなタイプがあり、乳幼児から高齢者まで全ての年代で発症する可能性があります。タイプは、画像検査などではっきり原因が分からないタイプと画像上で異常を示すタイプに大別されます。後者は外傷による脳へのダメージ、脳卒中、脳腫瘍、アルツハイマー病など脳の病気によって引き起こされます。乳幼児や小児は原因が分からないタイプが多く、高齢者は病気や外傷によるタイプが多いことが特徴です。
てんかんの症状は人によって大きく異なりますが、多くは適切な治療を行うことで発作を抑制し、問題なく社会生活を送ることができるとされています。一方で、頻繁に発作を繰り返して徐々に脳の機能自体が低下していくケースでは、症状に応じて適切な社会的支援を受ける必要があります。
1 てんかん発作は、部分発作、全般発作、未分類てんかん発作などに分類されるが 、具体的に出現する臨床症状は多彩である。また、発作頻度に関しても、薬物療法によって完全に消失するものから、難治性てんかんと呼ばれる発作の抑制できないものまで様々である。さらに、てんかん発作は 、 その重症度や発作頻度以外に、発作間欠期においても、それに起因する様々な程度の 精神神経症状 や認知障害 などが、稀ならず出現することに留意する必要がある。
2 各等級 に相当すると認められるものを一部例示すると次のとおりである。
障害の程度 | 障 害 の 状 態 | ||
---|---|---|---|
1級 | 十分な治療にかかわらず、てんかん性発作のA又はBが月に1回以上あり、かつ 、常時の援助が必要なもの | ||
2級 | 十分な治療にかかわらず、てんかん性発作のA又はBが年に2回以上、もしくは、C又はDが月に1回以上あり、かつ、日常生活が著しい制限を受けるもの | ||
3級 | 十分な治療にかかわらず、てんかん性発作のA又はBが年に2回未満、もしくは、C又はDが月に1回未満あり、かつ 、労働が制限を受けるもの |
注1 発作のタイプは以下の通り
A:意識障害を呈し、状況にそぐわない行為を示す発作
B:意識障害の有無を問わず、転倒する発作
C:意識を失い、行為が途絶するが、倒れない発作
D:意識障害はないが、随意運動が失われる発作
注2 てんかんは、発作と精神神経症状及び認知障害が相まって出現することに留意が必要。また、精神神経症状及び 認知障害については、前記「B 症状性を含む器質性精神障害 」に準じて認定すること。
3 てんか んの認定に当たっては、その発作の重症度(意識障害の有無、生命の危険性や社会生活での危険性の有無など)や発作頻度に加え、発作間欠期の精神神経症状や 認知障害の結果、日常生活動作がどの程度損なわれ、そのためにどのような社会的不利益を被っているのかという、社会的活動能力の損減を重視した観点から認定する。
様々なタイプのてんかん発作が出現し、発作間欠期に精神神経症状や 認知障害を有する場合には、治療及び病状の経過、日常生活状況等によっては、さらに上位等級に認定する。
また、てんかんとその他認定の対象となる精神疾患が併存しているときは、併合(加重)認定の取扱いは行わず、諸症状を総合的に判断して認定する。
4 てんかん発作については、抗てんかん薬の服用や、外科的治療によって抑制される 場合にあっては、原則として認定の対象にならない。