ひきこもり当事者やそのご家族の方へ

ひきこもりは「自分という時代」の最先端

 きこもる理由は様々ですが、確実に言えることは、「悪いのはあなたではなく、あなたを取り巻く世界だ」ということです。人は自己実現のためにこの世界で動き回りますが、ひきこもる状態は、「これ以上おかしな人生が続くことを阻止する」という「能動的な停止」の表現だと思います。

  きこもり支援の現場での経験から、外の世界からではなく、本人の心が発火した瞬間に、手の届く範囲で次の次元の扉がある、そんな環境を整えることが重要だと感じてます。

 自身足掛け7年もの間、ひきこもり生活を送った経験があります。毎日が辛い思いをしましたが、変化が始まったのは自分が極度に追い詰められた後、精神的には永遠かと思えるほどの大嵐の後に訪れた凪の時間帯でした。両眉毛を剃り上げたスキンヘッドで、肥え太った身体を隠せる服もなくなった私は、ふいに大雨の真夜中に玄関を出ていました。

 れから夜中のウォーキングが始まり、やがて毎朝のジョギングに移り、そして大晦日のマラソンにも挑戦するようになりました。この過程で、少しずつ自信が芽生えてきました。

 部からの指示命令ではなく、自分自身が行動を起こしたことが、私にとって重要でした。外界からの支配を受け続けた「おかしな人生」から自分を取り戻すための7年の旅が、私が「ひきこもる意味」だったのです。

そして冒頭に書いた「あなたを取り巻く世界」というものが、自分の変化によって鮮やかに彩られてることに気付くのです。

「私の言葉が、住む世界を決めていく」のは真実ですけれど、自己責任と混同しないように注意です。

 ぜるな危険です。

危機の通過が自分を助ける

 の好きな言葉にこんな言葉があります。

「弓も折れ、矢も尽きはつるところにて さしも緩さで強く射てみよ」

矢幹(やがら)なき矢を、弦なき弓で射れば、そはかならず、かつて極東の人々の歴史におこったように岩をも突き通すであろう。禅宗と同様に、芸術のすべての部門において、この”危機の通過”ということは、あらゆる創造的作品の根源に到達するために極めて肝要だと考えられている。

『禅と日本文化 (岩波新書) 』鈴木大拙著

 きこもることは、危機の通過であって、人生の取り戻し時期なのだと思うのです。

障害年金の受給は別次元への扉か

 B型作業所の施設長の言葉を覚えています。

「障害年金は、ファイトマネーだと思う!」

 また、地域でピアサポーターとしてひきこもり支援を行っている方も仰っていました。

「診察は私にとって仕事です」

また、居場所事業でお話したひきこもり経験者の方は、

「障害年金を受けることで前に進めるようになったし、家族関係も良くなった」と言います。

 害者というレッテル貼りに自身が苦しんで、ご家族が申請を希望しても本人が希望しないケースもあります。

 だ、障害年金というのは、公的年金であり、けがや病気で日常生活が困難な現役世代の方が受給できる「保険の仕組み」の年金です。保険だからこそ保険料納付要件があります。その他の要件にも合致したなら堂々と請求して欲しいですし、何よりもここまで闘ってきたあなたに与えられるファイトマネーだと思うのです。

に火花が走ったその時に、手の届く範囲にある別次元の扉として、このホームページが助けになれば嬉しいです。

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