広汎性発達障害で障害年金を申請するケース

広汎性発達障害は、小児自閉症やアスペルガー症候群などの発達障害を包括する用語です。この疾患は、先天的な脳の機能障害や中枢神経系の発達に関わる疾患とされています。広汎性発達障害を持つ人は、「対人関係の障害(社会性の障害)」「コミュニケーションの障害(言語機能の発達障害)」「イマジネーションの障害(こだわり行動や興味の偏り、固執性)」の3つの特徴的な障害を示すことがあります。知的障害を伴わない場合、高機能群の広汎性発達障害とされ、それでも自閉性を示します。

知能指数が高くても、社会的な行動やコミュニケーション能力の障害により、対人関係や意思疎通に困難が生じることがあります。そのため、日常生活において著しい制限を受けることがあります。

広汎性発達障害は、障害年金の対象となる疾患です。通常、低年齢で発症するため、初診日は20歳未満であることが一般的です。ただし、知的障害を伴わない場合には、発達障害の症状によって初めて医師を受診した日が20歳以降であった場合、その日が初診日と見なされます。

1 発達障害とは、自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現するものをいう。

2 発達障害については、たとえ知能指数が高くても社会行動やコミュニケーション能力の障害により対人関係や意思疎通を円滑に行うことができないために日常生活に著しい制限を受けることに着目して認定を行う。また、発達障害と その他認定の対象となる精神疾患が併存しているときは、併合(加重)認定の取扱いは行わず、諸症状を総合的に判断して認定する。

3 発達障害は、通常低年齢で発症する疾患であるが、 知的障害を伴わない者が発達障害の症状により、 初めて受診した日が 20 歳以降であった場合は、当該受診日を初診日 とする。

4 各等級に相当すると認められるものを一部例示すると次のとおりである。

障害の程度 障  害  の  状  態

1級

発達障害があり、社会性やコミュニケーション能力が欠如しており、かつ、著しく不適応な行動がみられるため、日常生活への適応が困難で常時援助を必要とするもの  
2級

発達障害があり、社会性やコミュニケーション能力が乏しく、かつ、不適応な行動がみられるため 、日常生活への適応にあたって援助が必要なもの

 
3級

発達障害があり、社会性やコミュニケーション能力が不十分で、かつ、社会行動に問題がみられるため、労働が著しい制限を受けるもの

 

5 日常生活能力等の判定に当たっては、 身体的機能及び精神的機能を考慮の上 、社会的な適応性の程度 によって判断 するよう努める。

6 就労支援施設や小規模作業所などに参加する者に限らず、雇用契約により一般就労をしている者であっても、援助や配慮のもとで労働に従事している。したがって、労働に従事していることをもって、直ちに日常生活能力が向上したものと捉えず、現に労働 に従事している者については、 その療養状況を考慮するとともに、 仕事の 種類、内容、就労状況、仕事場で受けている援助の内容、他の従業員との意思疎通の状況等を十分確認したうえで日常生活能力を判断すること。

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