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高次脳機能障害とは、脳卒中や事故などをきっかけとして脳の機能が著しく障害を受けることにより、さまざまな状態を引き起こすことを指します。
たとえば、ものを覚える、気持ちを抑える、目的を持ってものごとを遂行する、などがうまく行えなくなってしまう状態です。上記のような状態となることから、高次脳機能障害を発症すると、日常生活を送ることが難しくなる場合もあります。
高次脳機能障害では、生活をするうえで欠かせない能力が障害を受けることから、日常生活に多大なる障壁を与えることがあります。
また、高次脳機能障害で生じる症状には重症度があり、症状に気づきにくいこともあるため注意が必要です。
具体的に生じる症状としては、
言葉がうまく出てこなくなり、言いたいことが言えない
言葉をうまく発音できない
ものの理解がうまくできない
など、言葉に関連した障害がみられることがあります。
また、記憶力に障害が生じることもあります。記憶力が衰える結果、うっかりミスが増える、食事をとったかどうかを思い出せないなどの症状が現れます。
そのほかにも注意力が散漫となってしまったり、服の着方を忘れてしまったりすることもあります。
障害年金の認定では、「日常生活や社会生活に制約がある」とされる場合が対象となります。障害の程度に応じて、1級から3級までの等級が設定されます。例えば、常時介護が必要な場合は1級に該当し、介護は必要ないが日常生活に著しい支障がある場合は2級に分類されることがあります。また、労働に制限がある場合には3級に分類されるか、障害手当金が支給されます。障害等級の決定は、初診日から一年六ヶ月後の障害認定日以降の障害の程度に基づいて行われます。
障害の程度 | 障 害 の 状 態 | ||
---|---|---|---|
1級 | 高度の認知障害、高度の人格変化、その他の高度の精神神経症状が著明なため、常時の援助が必要なもの | ||
2級 | 認知障害 、人格変化、その他の精神神経症状が著明なため、日常生活が著しい制限を受けるもの | ||
3級 |
| ||
障害手当金 | 認知障害のため、労働が制限を受けるもの |
3 脳の器質障害については、精神障害と神経障害を区分して考えることは、その多岐にわたる臨床症状から不能であり、原則としてそれらの諸症状を総合して、全体像から総合的に判断して認定する。
4 精神作用物質使用による精神障害
ア アルコール、薬物等の精神作用物質 の使用により生じる精神障害について認定するものであって、精神病性障害を示さない急性中毒及び明らかな身体依存の見られないものは、認定の対象とならない。
イ 精神作用物質使用による精神障害は、その原因に留意し、発病時からの療養及び症状の経過を十分考慮する。
5 高次脳 機能 障害 とは、 脳損傷に起因する 認知 障害 全般を指し、 日常生活又 は社会生活 に制約があるもの が 認定の対象となる 。 その 障害の 主な 症状としては、 失語、失行、失認のほか 記憶障害 、 注意障害、遂行 機能 障害、社会的行動障害などがある。なお、障害の状態は 、 代償機能やリハビリテーションにより 好転 も見られることから療養及び症状の経過を十分考慮する 。また、失語の障害については、 本章「第6節 音声又は 言 語機能の障害」の認定要領により認定する。
6 日常生活能力等の判定に当たっては、身体的機能及び精神的機能 を考慮の上 、 社会的な適応性の程度によって判断するよう努める。また、現に仕事に従事している者については、 労働に従事していることをもって、直ちに日常生活 能力 が向上したものと捉えず、その療養状況を考慮するとともに、仕事の種類、内容、就労状況、仕事場で受けている援助の内容、他の従業員との意思疎通の状況等を十分確認したうえで日常生活能力を判断すること。